ロクロ
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もう30年、以織の相棒を務める「手回しロクロ」です。
直径52センチ、厚さ9センチあります。
桜材で出来ていて、オーダーした時この大きさの材は、これきりと聞きました。
天板を昔の人は「鏡」と呼びました。ご覧の通り鏡部分は木材ですが、
下部はしっかりとした金属製で床からの高さが62センチもあります。
きっと昔のサイズのままなのでしょう。
現代の優れたベアリングが使われているので回転は30年たった今でも滑らかです。
なのに、なのにです。この相棒、最初から若干ふらついておりました。
ロクロ上の右側に写っている棒を、鏡に3カ所開けられている穴に差し込んで回します。
この棒の名は「ロクロばせ」と言い、手作りです。
木の枝で代用することもありましたが、今は現代工具にて作っています。
使用していくとだんだん短くなってしまうので何年かすると交換せねばなりません。
中心に土塊を据えて右手でロクロばせを掴んで回転させます。
程良く回転が始まったらロクロばせを離して、両手で器物を引き上げます。
回転が緩くなったら、また、ロクロばせで回すわけです。
当初、ふらついていた、この相棒にいらだちを覚えましたが、今はそのふらつきに感謝しています。
古作にあるような口縁の揺らぎには、ロクロそのものがふらついてくれないと様になりません。
左にあるのが仕上げに使う篦とロクロ引きの済んだ器体を切り離す糸「シッピキ」です。
以織は色々な種類の道具を使い分けません。ほとんど写真の篦で済ませます。
この篦も市販の物を少し削っただけです。
古作の民窯陶工が普段、道具の使い分けなどしなかったろうという想像が理由です。
昔、シッピキは藁を編んで作られていましたが、写真のものは水糸を編んでいます。
ロクロ引きする器体の大きさに合わせて太さの違うシッピキを用意しています。〈h27_1/20記〉

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