大井戸茶碗
大井戸茶碗

名碗・筒井筒の形を念頭にロクロ引きしてみたのがこれ。
井戸茶碗と呼ぶからには見込みの底は高台部にまでしっかり入り込んでいたいもの。
けれど腰部の削りがほぼ直線上の筒井筒を見るに、
見込みの底を深く高台部にまで届かせるだろうか。
断面を想像してほしい。どうにもおかしな内側にならないだろうか。
形を真似る時、そっくりに写そうと思ったことはない。
その形に自ずから近づくようなロクロ引きを考える。
だからといって国宝・喜左衛門井戸の陶工と、
筒井筒の陶工とのロクロ術に大きな相違はあるはずもないのだが、
個々の陶工の引き癖はあるはずだ。
どうにか見込み深く引き上げて高台削りをしてみると、
当然、本歌同様、腰部の削り幅は大きくなる。手取りは重い。
調べてみたら筒井筒は長径15.5センチ、高さ9.8センチ。重さ426グラム。
拙作は一回り小さく径14.6センチ、高さ9.1センチ。重さ446グラム。
やはり古作陶工のロクロ術は凄い。
今回の焼成は還元時間を長くして群雲のような表情を狙ってみた。