引出し黒井戸茶碗
引出し黒井戸茶碗

黒釉を部分掛けした井戸茶碗だ。黒色を引き立てるために「引出し」してみた。
桃山時代のの美濃茶盌に「引出し黒」という筒茶盌があって、
これは焼成中に窯から引出して急冷したことからついた呼び名だ。
鉄釉を焼成中、急冷するといい黒色になるのだ。
この茶盌も焼成中の窯から引出して水に浸けて急冷した。
真っ赤に焼けた茶盌形の塊を水に浸けると、
瞬間、水の沸騰するものすごい音とともに茶盌が景色を帯びる。
水への入れ方が悪いと空気の急膨張で割れこともある。
井戸の焼成法によるのだろうか、黒釉に大きな鉄の銀色結晶が浮かんでいる。
「カイラギのある黒織部」とも呼べるが、
井戸の素地土、井戸の焼成法なので「引出し黒井戸」が順当な呼称だろう。
径121〜128ミリ。高さ84ミリ。370グラム。