蕎麦茶碗
蕎麦茶碗
径:140〜147ミリ。高さ:62ミリ。
李朝茶碗の魅力的な表現に「片身替り」があります。
表現と言っても人為的な描画ではありません。
窯で絵を描くというか、炎にまかせた神秘的な色変わりをいいます。
名品の片身替りは本当に半分づつ、ひとつの茶碗のなかで色彩が分かれています。
作者は過去にただ一碗、窯出したことがあります。
この蕎麦茶碗はぴったりと色変わりはしていませんが、
窯の神様の計らいで還元炎にて発色する鼠色と、酸化炎発色の枇杷色が同居しています。
二色のあいまいな境界線が、かえって自然な雰囲気です。
素地土に含まれる粗いカオリン粒が表面に覗いて荒々しく見えますが、
実際にはザラザラ感はありません。
お茶室の柔らかな明かりに、しっとりと反応するように思えます。