片身替り小井戸茶碗
片身替り小井戸茶碗
径:130mm 高さ:70mm 251g
スタンダードの井戸素地土には韓国産カオリン主体の土を使っていますが、
思いつくままに新しい調合をしてテスト焼きをよくします。
ほとんどは成功しないのですが、この片身替り茶碗は次のテストにつなぐことが出来そうです。
古作の李朝茶碗、例えば蕎麦手や斗々屋茶碗には半分がグレー発色し、
もう片方が枇杷色発色をしたものがままあります。
グレー発色は素地土中のわずかな鉄分が還元焼成された時に表れます。枇杷色は酸化焼成で表れる色です。
グレーと枇杷色が同一器体上に表れるということは、
還元焼成と酸化焼成両方の結果が同じ器に存在するということです。
なので長い間、還元炎と酸化炎の狭間にある器が片身替り発色するのだろうと思っていました。
けどそれは間違いではないにしても、まだ別の要因がありそうだと、この片身替り茶碗は語っています。
もしこれが一般的な日本の土ならば、全体がグレーで覆われたことでしょう。
というのは、この茶碗を焼いた方法は単純な還元焼成だったからです。
にも関わらず、こうした変化が生まれるということは、
この茶碗の素地土が「そう簡単には還元炎化されないぞ」と頑張った結果なのだと思うのです。
素地土の成分に簡単に還元されない何かが含まれていると考えた方が、
素直に受け入れられる答えです。テストを続けていきますね。(h27_4_30記)